バナナをほってつくられた顔をネットで見て、目が釘づけになった。ドラゴンから番長(!)まで、バナナが見事に彫刻されているからだ。作者はスーさん。作品のクオリティの高さから、「バナナ職人」と呼ばれている。
スーさんの作品に刺激をうけ、僕もつくりたくなった。バナナに組み合わせるキャラは、もじもじしている彼にしよう。バナナ+ムーミンで「ムーミンバナナ」をつくりたい。
しかしここで不安がよぎる。僕は不器用なので、バナナに細かい顔をほるなんてできないのではないか? だが悩んでいても始まらない。スーパーに行き、少しでもつくりやすいように、表面積の大きいバナナを買った。
まずはバナナに竹串でムーミンの輪郭をかき、それから目やまゆげなど顔のパーツをかいていく。実はここで失敗し、すでにバナナを1本胃におさめているのは内緒だ。輪郭を小さくかきすぎて、目が2つ入らなかったのだ。
ニューバナナでやりなおすと今度はうまくいった。バナナの横幅をフルに使い、輪郭を大きくとった。顔のパーツもバナナ内におさまった。
つぎにムーミンの輪郭の外側をスプーンで削っていく。ここが正念場。スプーンをにぎる手に力がこもる。ときに大胆に、ときに慎重にバナナを削る。一番むずかしいのは耳のまわり。耳をつぶさないように、シビアなスプーンさばきが要求される。少しずつていねいにバナナを削り、ついにムーミンバナナができあがった!
せっかくだから例の名ぜりふで呼んでみよう。「ねえムーミン。こっち向いて!」
キターっ! つぶらなひとみがかわいいではないか。こっちを向いてほほえむムーミンを見ていたら、幸せな気持ちになった。
◇関連リンク
・バナナ職人スーさんのサイト
「スー(バナナ職人)」のイラスト [pixiv]
バナナ彫刻職人のblog。