僕は緑のたぬきが好きだ。中学生でその味のとりこになり、親が寝静まった後、夜な夜な緑のたぬきライフを楽しんだ。今では大人の財力をフルに生かし、たまごやハムを入れてエンジョイしている。
今回の「不器用男子のキャラ弁・キャラごはん」は、そんな思い入れの強い緑のたぬきで作りたい。組み合わせるキャラクターはりらっくまに決めた。緑のたぬき+りらっくまで「緑のたぬきっくま」だ。
緑のたぬき+リラックマ=緑のたぬきっくま
材料は緑のたぬき本体、のり、スライスチーズ。りらっくまの顔になるのは、サクサクの天ぷら。天ぷらの表は具でごちゃごちゃしているので、裏返す。なんということでしょう、裏はきれいなきつね色である。たぬきなのに。
まずはりらっくまの目と鼻になる黒い丸をつくる。のりを小さく切るのはとても難しいので、人類の知の結晶「のりパンチ」を使う。ふん、とパンチをひと押しすれば、きれいな丸がくりぬかれた。
次にスライスチーズをはさみで切って、鼻と耳をつくる。チーズがぐにゃぐにゃで切りづらいが、なんとか形にする。この後がりらっくま作りの最大の難所、鼻の八の字、通称「鼻のちょんちょん」づくりだ。
のりを細長く切って、鼻のチーズの上にのせる。きれいな八の字になるよう何度ものりの位置をずらす。ピンセットを持つ手はぷるぷる震え、目は血走ってきた。10分を超える格闘の末、ようやくきれいな八の字になった。
最後に目をのせて顔のできあがり。わくわくしながらお湯を沸かし、容器に注ぐ。3分たったらふたを開け、そっと顔の天ぷらをしのばせふたをとじた。
できた! 喜びをぐっと抑え、ふたをちらりとめくる。
こっち見てる! かわいすぎる「たぬちら」である。がまんできずにふたをめくると、湯気の中から緑のたぬきっくまが浮かびあがる。鼻とつぶらな瞳が愛しすぎる。強く抱きしめたいくらいだが、時間が経ちつゆを吸い、ふやけっくまになってきたので涙を飲んでお別れすることにした。大丈夫、君は僕の心の中(胃)にずっといるから。
好きな緑のたぬきでりらっくまを上手くつくれたので、今回は大満足。「不器用男子のキャラごはん」史上、緑のたぬきっくまはパーソナルベストを叩き出した。