「ずとてのぺうくろ」問題に終止符

ずとてのぺうくろの看板

「ずとてのぺうくろ――」。香港から日本人に向けられた謎の暗号。この暗号を解読したい。誰にも頼まれてないが我々調査チームが立ち上がった。「ずとてのぺうくろ」問題に終止符を打つ。

香港の看板「ずとてのぺうくろ」

香港には知る人ぞ知る「ずとてのぺうくろ」と書かれた看板がある。こちらが香港で調査チームのA氏が激写した「ずとてのぺうくろ」の現物である。

ずとてのぺうくろの看板

どうやら「金麗城」という店のようだ。問題は日本語で書かれた部分。

「いらつしやいませ ずとてのぺうくろ」

「いらつしやいませ」は「いらっしゃいませ」だろう。こんな小さな間違いに我々は目くじらを立てない。心が広いからだ。見過ごせないのは「ずとてのぺうくろ」部分。何を言っているのかさっぱり分からない。片言にも程がある。我々は頭を抱えた。

木を知るには森を見よ。まずは問題の全体像から攻めてみよう。そもそも「金麗城」はどんな店なのか? 調査チームによる看板の広東語解析、店を訪問した方のネットの書き込みを調べた結果、「お姉さんとカラオケが出来てマッサージも受けられる若干いかがわしい店」だと分かった。

店の内容が分かると、看板の英語も納得できる。
「Welcome To Man’s Para dise Enjoy Yourself」はつまり、「男の楽園へようこそ」。Men’sがMan’sになっているが、我々は小さな間違いは気にしない。やさしいからだ。

いよいよ最後の謎「ずとてのぺうくろ」に迫る。調査チームのM氏が口火を切る。「『ずとて』の文字の形をよ~く見てください。『おとこ』に似ていると思いませんか」。ツバをゴクリと飲み込む。確かに似ている。看板の英語にも「Man’s」とある。「ずとての」は「おとこの」で間違いない。

ずとてのぺうくろ

残すは「ぺうくろ」。候補に挙がったのは「らくえん」だった。文字数が同じで、Paradiseの訳でもある。続けて読めば「おとこのらくえん」。ついに解決した。暗号解読という長い旅が終わり、ウマい飯が食える。そう思った。

「納得できない」A氏が首を横にふる。「だって『ぺうくろ』と『らくえん』は字の形が全く違う」。

それ言っちゃう? 続けてA氏は驚きの説を披露した。「『ぺう』と『くろ』で分けて考えるべき。まず『ぺう』だけど、カタカナの『パラ』に似てる。『パラ』はパラダイスという意味。『くろ』は『しろ』、つまり城ってこと。店の名前にも城が入ってる」

な、何だって――。つまり「ずとてのぺうくろ」とは、「おとこのパラダイス」と「おとこの城」という二つの意味を持つ、ダブルミーニングだったのか……!

香港からの暗号を解読した今、我々は感動すら覚えている。最後に未確認情報だが、「金麗城」のオーナーは、日本語がペラペラだという。じゃあ直せよ。

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